INTERVIEW
ハードコアバンドともポップなバンドとも全然やるよ。
それが理想的な動きだと思ってるしね。
コウイチロウ

Q.今回「SEVEN TEEN」で初めて日本語を取り入れたこともそうですけど、
ここ数年でXERO FICTIONは色んなことが変わってきてますよね。
コウイチロウ:そうだね。日本語の曲を作ったことにも繋がるけど、
以前と比べて対バンするバンドが変わったり、
ワンマンをやったりするようになったのはバンドにとって変化だと思う。
最近ではハードコアのバンドとやる方が全然少なくなったからね。
今回のレコードのレコ発もワンマンだし。
ハルカ:ワンマンなんて考えたこともなかったからね。
コウイチロウ:それにまだ一緒にやったことのないバンドやシーンの違うバンドともやりたいしね。
ナードマグネットとかポタリとか。そこも含めて今はバンドの転換期なのかも。
この前もポタリのワンマンを観てきたんだけど勉強になることだらけだからね。そういうバンドから受ける刺激も多いからまだまだ変わっていくかもよ。ポタリとかさ、育ちが違いすぎるじゃん。でもそこが面白いんだよね。
そういうバンドとも一緒にやっていけるバンドでいたいから。
Q.そこはXERO FICTIONの強みですよね。
コウイチロウ:ハードコアバンドともポップなバンドとも全然やるよ。それが理想的な動きだと思ってるしね。
Q.最近ではサーキットイベントにも出演してますよね。ここにきてXERO FICTIONがこういう動きをするとは思ってなかったので面白いなと。
コウイチロウ:俺達、意識高い系だから(笑)。
ハルカ:私達より意識高いバンドなんてめちゃくちゃいるでしょ(笑)。
コウイチロウ:でも誰かに言われてやってる訳じゃないからね。自分達で考えて今の動きになってる。
レコード出すのだってそうだし。レコードなんて自分用が欲しいだけだから(笑)。それをみんなにも分けてる感覚。
Q.今回のレコードに収録されている「SEVENTEEN」は17歳の頃に思い描いていたであろう気持ちも歌われていますが、
2人はどんな17歳でした?
ハルカ:荒れてました(笑)。
Q.まあ、そうでしょうね(笑)。
ハルカ:無敵だと思ってた(笑)。でもそれは何も知らなかったからだと今になって思うかな。大人になると怖くなっちゃって出来ないことも17歳の頃って恐れ知らずで突き進んでたから。無敵って最強だからね(笑)。
コウイチロウ:怖いもんなんてなかったよね。
ハルカ:そうだね。あの無敵感って今思うと羨ましいなって思う。だから17歳の頃の気持ちって大事だなって思う。
Q.その頃はどんな音楽を聴いていました?
ハルカ:80年代のパンクを聴いてた。
コウイチロウ:俺もパンクだね。
Q.コウイチロウはどんな17歳でした?
コウイチロウ:地元の悪い友達と毎晩遊んでいたよ。でもみんなクラブに行ったりする中、俺は部屋でパンクを掘り下げてたから、みんなとはちょっと違う遊び方もしてたと思う。あと、悪いことを悪いと思ってなかったから、悪いことも沢山してた。
親にバレるのだけは怖かったけど、それ以外はなんでもいいと思ってたから。
Q.親にバレるのは何故嫌だったんですか?
コウイチロウ:怒られるの嫌じゃん。警察とかはなんとも思わなかったけど親にはバレたくなかったなあ。
Q.どんな悪いことをしてたんですか?
コウイチロウ:色々盗んだりしてた(笑)。
Q.「SEVEN TEEN」で「あの頃の淡い気持ちを切なさが思いださせる」と歌ってますが、どの口が言ってるんですか(笑)。
ハルカ:あははは。
コウイチロウ:かなり淡いよね(笑)。
Q.パンクとの出会いは?
ハルカ:高校に入ってからかな。UKパンクにのめり込んで、音楽だけじゃなくてパンクに影響を与えた映画とかも見まくってた。まず最初はパンクって言葉の意味、ファッション、思想、その時代に生きてた人がどう過ごしてたかを調べたりして。それが私なりの解釈だと自由に生きたらいい、自分のことは自分で主張したらいいんだってことだったんだよね。素の自分を曝け出してもOKっていう。
コウイチロウ:そうやって勘違いから始まっていくっていうね(笑)。
Q.パンクにも色んなパンクがありますけどUKのパンクに影響を受けたのは?
ハルカ:スケートパンクとかニューヨークスタイルのパンクも好きだけど何かが違って。でもUKのパンクを聴いたときに「これだ!」って思ったんだよね。この考え方が自分に合ってるかもって。あとは見た目?ハイスタも好きだったけど半ズボンだしなって(笑)。
Q.ちなみにみんなが通る道だと思いますが、最初に聴いたSEX PISTOLSの感想は?
ハルカ:なんだこれって思った(笑)。速くないし音もしょぼいなって(笑)。だから全然入ってこなかった。
もうちょっと尖ってるのがいいなって(笑)。
コウイチロウ:でも「SEVENTEEN」はSEX PISTOLSの「Silly Thing」をモデルにしてるからね。
ハルカ:別に嫌いじゃないよ。当時は入ってこなかったってだけ。
Q.僕も中学の頃に激しいものを求めてSEX PISTOLSを聴いて逆の意味で衝撃を受けたのを覚えてます(笑)。
XのHIDEがEXTASY SUMMITで歌っているのを聴いて原曲を聴いてしょんぼりした記憶があります(笑)。
コウイチロウ:俺もEXTASY SUMMITで初めて聴いて原曲を聴いてがっかりした!「マジ?」ってなったもん(笑)。
Q.コウイチロウはどうやってパンクに出会ったのですか?
コウイチロウ:隣の兄ちゃんがメタル好きで小学生でも聴けるメタル講座みたいなのをやってくれてたんだけど、そこでHELLOWEENとかGAMMMA RAYとか教えてもらって聴いていて。でも中学になったくらいで段々色気づいてきて、「なんか格好ダサくないかな」って思えてきちゃって。胸毛ボーン!とか。だけどスピード感はそのままが良かったからメロコアに辿り着いて、AIR JAM系とか聴くようになったのが最初かな。でもやっぱり何か違うって思って。半ズボンだし。そこから色々調べる中でLAUGHIN' NOSEに出会って、どんどん掘っていく中で80年代のUKのパンクにどっぷりハマって今に至る感じ。泥沼です(笑)。
ハルカ:当時よくTHE EXPLOITEDのTシャツ着てたよね。
コウイチロウ:ヒーローだからね。絵に描いたようなパンクバンドでしょ。10代の頃は本当に夢中だった。勿論今も好きだけど。
Q.今の10代でパンクを好きな子達に伝えたいことってあったりします?
コウイチロウ:どうなんだろう。今の17歳にズドーンって伝えるのって難しいかもなあ。
ハルカ:何を言われても入ってこないだろうしね。
コウイチロウ:そうそう。俺が17歳だったらそういうの邪魔くさいって思うし(笑)。だから17歳に伝えることはない!(笑)
Q.「SEVEN TEEN」を聴いた17歳の子が30代になったときにもう一度聴いたら全然違って聴こえるかも。
コウイチロウ: そうだね。それはあると思う。自分もそうだったから。速い曲意外聴いてなかったけど今はこういうバンドをやってる訳だしね。親もビックリしてたから。「あんな速くてうるさい曲ばかり聴いてたのになんでこんなバンドやってるの?」って(笑)。でも俺がXERO FICTIONでやりたいことって企画物みたいなイメージで。「女の子が歌うパンク物」みたいな。だからどの曲にもイメージがあるんだよね。「ハルカにこんな曲を歌わせたらこうなるだろうな」とか。
ハルカ:「SILENT STORY」とかハードコアをやってた頃に持ってこらえても絶対歌えないけどね(笑)。
17歳の頃だったら「意味わかんない」って言ってたと思う(笑)。
Q.他のメンバーの17歳の頃ってどんな感じだったと思います?
コウイチロウ:フートンは俺達と一緒じゃないかな。
キョウヘイなんてちょっと前のことでしょ?(笑)。
ハルカ:入った頃なんて真面目な青年だったからね(笑)。
Q.でも最近ちょっと…。
ハルカ:尖ってるよね(笑)。
コウイチロウ:18歳の頃から一緒にいるけど大人になっていく
姿を見てるから家族みたいだよ(笑)。
Q.高校デビューって言葉があるけど
キョウヘイはXERO FICTIONデビューですからね。
ハルカ:あははは。最初は本当に初々しかったもんね。
Q.ドランキーは?
ハルカ:田舎っぺ(笑)。
Q.あははは。この5人が一緒にバンドをやっているのが面白いですよね。
ハルカ:意味わかんないよね。よく一緒にやってるなって思う(笑)。
コウイチロウ:そこはやっぱり家族感じゃないかな。どんどん家族になっていく気がする。
Q.「SEVEN TEEN」が17歳にどう響くか楽しみですね。
コウイチロウ:17歳はレコードプレイヤーなんて持ってないでしょ。買うのはきっとおじさんだよ(笑)。
Q.昔17歳だった俺達に刺さるんですよ。
コウイチロウ:つまりおじさんだね(笑)。買う層は37歳以上と見た!(笑)
<INFORMATION>

5/18(Fri)”Get back to basics"
@東京 下北沢SHELTER
open/start 18:30/19:00
prise:¥2,800(D別・ステッカー付きチケット)
問い合わせ:下北沢SHELTER tel03-3466-7430
4th 7inch record
【SEVENTEEN/Silent Story】を含む物販は終演後に行います。



